明礬温泉

別府八湯の中でも最も高い位置にある明礬温泉には５回くらい来たが、今回はまず、湯元屋。旅館では酸性のアルミニュウム〜硫酸塩泉の湯に入った。成分を見ても何のことやらわからない。やや濁った緑色の湯で顔を洗うと目に染みたのにはビックリ。軽く唇を舐めると塩酸っぱい味がした。アトピーなどには効能ありという。

旅館の前が共同浴場の鶴寿泉（かくじゅせん）である。朝７時に鍵が開けられ一番乗り。お賽銭を投げて一番風呂と勇んで中に入ったがすごく熱そうで入れない。直後に常連さん達が３〜４人現われ「だいたい百五十杯くらいかきだしてから水でうめたらいい」。「今日はまた特に熱い。三十分ぐらいかかろうね」＊＊＊。はだかの男数人が水で手を冷やしながら寒さに震えつつ、おけでザーザーと湯をくみあげる。ここでは湯より水のほうが貴重なのである。ようやく、それでもしびれる熱さを我慢して湯の中に。透明な緑色というのもおかしいが、ほんの少し白い濁りがある硫黄泉である。その頃には皆うち解けて笑顔で会話がはずむ。毎朝一番の主様は２時間くらいいるという。同じ明礬でも隣でも湯質が違うこと。別府に生まれ育った人たちもなおかつ「湯めぐり」の興味のつきないこと、そしてなによりも共同浴場を大切にされていること等々、良い勉強になった。

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