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静けさの中に鹿脅しの音が響く静謐の庭を愛でに!
2021年 4月23日(金)天候:晴れ
一年で1番風が爽やかな季節の京都・洛北に足を運び、侘び寂を感じる名庭園を訪ねました。
緩やかな坂道の途中に竹垣で作られた小さな山門『小有洞の門』があり…その門を潜ります。
木漏れ日のさす竹林の参道をたどり、中門と思われる『老梅関の門』の前に立ちつくし、覗き見る…と、立派で風情ある建物の≪嘯月楼≫が佇んでいました。
前庭には丸く綺麗に刈り込まれた赤い“ツツジ”が可愛く出迎えてくれています。
❝詩仙堂❞と、聞き覚えていた私たち…正しくは〚凹凸窠(おうとつか)と呼ばれ…でこぼこした土地に建てた住居〛で❝詩仙堂❞はその建物の一室にあったそうです。
❝詩仙堂❞は、寛永18年(1641)石川丈山により造られた遺愛の庭と、この建造物は数多くの天災地変からの難を逃れ、往時のままの姿で偲ぶことができています。
現在は、曹洞宗大本山永平寺の末寺で【六六山 詩仙堂 丈山寺】を号する寺院です。
中庭を通り、≪嘯月楼≫の詩仙の間に一歩足を踏み入れる...と、庭から時折り聴こえる鹿脅し甲高い音が、静寂の空間に点を打つかのように響き渡っていました。
青絨毯が敷かれた詩仙の間に座り、庭を眺めると、柱やかもいに仕切られた枠を額縁に見立て、小ぶりな庭に敷き詰めれらた白砂と、見事に配された青葉の“サツキ”と若葉の“もみじ”が織りなす庭に、往時の丈山を偲ぶことができました。
縁側から外庭にでることが出来ます。。。
咲き始めた“サツキ”と、季節の草花が程よく配された庭をめぐる...と、思いもよらず広い庭に驚かされます。
丈山が過ごし、この小径を歩いた姿を思い浮かべながら歩いていると、静寂の中に流れ落ちる水の音や、優しい春の風が若葉を揺らす葉擦れの音を耳にしながら‘ゆっくり’とした歩幅で歩いて行きます。
庭の其処かしこには丸く刈り込んだ青葉の“サツキ”が点在し、その奥に淡い紫色の“藤の花”が垂れ下がった小さな藤棚がありました。
藤棚の長椅子に腰掛け、非日常的な空間の中で静かに目を閉じて、時の移ろいを肌で感じながら‘まったり’…と、した時が過ぎていくのを感じました。
腰を上げ、再び庭をめぐっていると、季節の草花が縁取る小さな池がありました。
池の中に優雅に泳ぐ錦鯉を見付け、その泳ぐ姿を暫くの間眺めていました。
時間が経つにつれ、建屋の方から拝観に訪れた人たちの声が聴こえてきました。
すぐには立ち去り難い庭ですが、そろそろ次の目的地に向かいます。
今日一日。若葉の“もみじ”や季節の草花が彩る京都・洛北の寺社と庭園を‘ゆっくり’めぐる予定です。
※この観光スポットの感想クチコミは各投稿者が経験した体験を基にした個人的な意見であり、【たびかん編集部】のものではありません。