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秋、紅葉の名所である。
徒歩で石神井川沿いの紅葉を楽しんでいると小さな看板を見つけた。
「正受院ここから」みたいなのが目印。
なんだこりゃ、と立ち寄ってみることにした。
■正受院
門扉のところでホウキ持って掃いてる管理人らしい女性がいた。
「入ってお写真大丈夫ですか?」
と尋ねたら穏やかに「どうぞ」と許可を頂いた。
非常に落ち着いた雰囲気の穏やかなお寺。
明るい日差し、紅葉がきらきらと輝いている。
ぽかぽかと暖かく、玄関マットで猫がまどろんでいた。
美しい!!
こんなええとこがあったのか!!
うひょおおおおおお!!!
敷地はお世辞にも広くない。
そのせいか人んちみたい。
■感想
あまりにも美しく、しばし見とれていた。
木が高くないせいで画面映えがする。
目線そのままに油絵のような世界が広がっているのだ。
穴場だ。
だが、どうして人がいないのだろうか。
その理由はすぐ分かることになる。
ぱしゃぱしゃと写真を撮っていて、本殿正面の左側に目をやると献花台ならぬお菓子台があった。
チョコレート、たまごぼうろ、ビスケットにアンパンマングッズ、しまじろーの小さなオモチャ…。
子供のためのお供え物で山盛り。
(ていうか私の好物と被る。チョコもたまごぼうろも大好きだ)
たくさんのお菓子に、思わず息を飲んだ。
親から子への悲しい愛が詰まっている。
さすがにこれを撮る気にはならない。
(やべぇ、場違いなところに来てしまった。)
■感想2
どういうお寺か分かってしまった。
赤ちゃんや子供がたくさん眠っているのだろう。
こんな綺麗なところで、優しそうな管理人さんにお世話されて、
可愛い猫も寝てるし、きっと寂しくないだろう。
安全なところでよかったなあ、ということをしんみりしていると、人の気配を感じた。
本堂の影で夫婦らしき男女が頭をうなだれて声なく泣いている。
ひいいいぃっ。
動揺する。
このお寺で泣くとは、そういうことだろう。
追悼シーンの横で無神経に写真をぱしゃぱしゃ鳴らして失礼にもほどがあるというもの。
ごめんねごめんねと心の中で謝った。
そそくさと退散だ。
ここは子供達が眠る場所であり、
家族が亡き子供と過ごしたり、
心の整理を付ける場所なのだ。
聖域みたいなもんだ。
大事な子供を眠らせるなら、明るくて清潔で綺麗なところ。
だからこんなに美しいのかと得心がいった。
不衛生でジメジメ暗い恐ろしいところに子供を預けたい親はいないだろう。
だからこんなに綺麗なんだ。
すれ違いざまに家族連れが、やっぱりお菓子の袋を持ってやってきた。
なるだけ顔を見ないようにして、ささっと帰った。
■感想3
文句なく美しい。
まるでカフェかなんかの計算し尽くされた庭のようだ。
代わりに家族の悲しみが渦巻いている。
景観を目当てに行くなら、遺族に好奇の目やシャッターを向けないように注意されたし。
悪いことしたらお墓の子供さんが見てる。
そう思ったらこの寺で祟りを受けるのでないかとブルってしまう。
綺麗でちょっと恐いお寺。
※この観光スポットの感想クチコミは各投稿者が経験した体験を基にした個人的な意見であり、【たびかん編集部】のものではありません。
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