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ドライブ勢にとって日本中のダムがなじみ深いことだろう。
ダムカードだってある。
社会の授業で川の治水についても学ぶ。
しかし、治山という言葉はマイナーな気がする。
治山、治山、治山、治山、治山。
大事だから繰り返して印象づけようと思う。
国土の70%が山林という日本において、山を治めるのもまた命題なのである。
■土砂崩れと治山の歴史
YES治山、NO土砂崩れ!!
風光明媚な静岡県、黄金の粒が山々に実るここは蜜柑とエビで有名な由比である。
由比駅からさった峠までのハイキングはとても有名。
その道中、由比地すべり管理センターは「ででん」とある。
敷地内には蜜柑とビワの木が生えている。
もっさり実もなってる。
県を挙げて治山に尽力した歴史資料と技術資料が詰まったとっても素敵なプレイスだ。
■とても人気がない由比地すべり管理センター
職員さんはただ一人。
地すべり監視業務と報告、来館者のための館内保全と案内業務をやっている。
が、来館者はほとんどこないとのこと。
ハイキング客に超絶スルーされてるらしい。
「(え、客?)」と驚かれた。
分かる。
誰も彼もが道中のみかん100円の袋詰め売りに夢中になる。
蜜柑を愛してしまう。
蜜柑しか見えなくなるのだ。
「地すべりなにそれ。蜜柑蜜柑蜜柑蜜柑蜜柑」
まるでセックスマシンガンズのように頭の中は蜜柑でいっぱいになってしまう。
私はたまたま蜜柑を食べながら歩いていたから蜜柑購買への注意が削がれて気づいたのだ。
きっと蜜柑を食ってなかったら地すべり管理センターに気づかなかっただろう。
みんな、静岡の蜜柑買うんだ。食うんだ。
愛媛の蜜柑に浮気するんじゃない。
■知れ、七夕豪雨の悲劇を
あんぎゃーーー。
昔、悲鳴が聞こえてきそうな悲劇が由比にはあった。
私は知らなかった。この由比の地で、地すべり管理センターで、その災害を初めて知った。
(奇しくも2020年7月4日、熊本県で氾濫が起き集落が水没した。7月は魔の季節だ。)
由比は特別地すべりが多い地域であった。
26回以上も地すべりに遭っている。
人も家屋も流された。当時の新聞記事をででんと掲示している。
いや、もう人は住まない方がいいんじゃないの。
逃げたらいいんじゃないの。
そう思ってしまうが、人は立ち向かった。
人材と技術力をぶち込み、山を治めたのだ。
館内の随所にある「治山」のでかでか文字は人類勝利の証なのである。
すごい。凄いぞ治山技術。
さった峠までのハイキングの道程に治山技術がまんま埋まってるぞ。
事前知識があるなしだと絶対にあったほうがよい。
ハイキングが社会学習にもなるのだ。
そして管理センターはあまりに人がこなさすぎて電球も切れてる。
過疎っぷり、いいよいいよ。
■山にぶち込まれてる地すべり止めの杭サンプル
管理センターの外に円柱が立ってる。
これ、杭。
地すべり止めのために地中深くにぶちこまれてる実物サンプル。
職員さんに頼むと鍵を開けて中を見せてくれる。
迷わず入ろう。
■感想
管理センターにはたっぷりの新聞記事がある。
ハイキングしながら、ここで災害が…たくさんの人が…。
と災害跡地巡りへと気分が変貌する。
それまで見えなかった山の脅威を目にすることになるだろう。
魔物や。やっぱり山は魔物やったんや!!
管理センターのおかげでハイキングの旨味が二倍にも三倍にも増す。
おすすめ。
※この観光スポットの感想クチコミは各投稿者が経験した体験を基にした個人的な意見であり、【たびかん編集部】のものではありません。
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