都会の喧騒の中にありながら、一歩足を踏み入れるとそこには異国の庭園のような静謐な時間が流れています。
今回は、名古屋市中区にある「久屋大通庭園フラリエ」を訪れ、見頃を迎えたバラを中心に、初夏の光に満ちた園内の風景をカメラに収めてきました。
「久屋大通庭園フラリエ」は、かつて「ランの館」として親しまれていた施設が2014年にリニューアルオープンした庭園です。
「フラリエ」という名前は、「ふらり」と立ち寄れる場所、そして「フラワー(花)」と「アトリエ(工房)」を組み合わせた造語とのこと。
その名の通り、栄や大須という名古屋の繁華街に隣接しながら、誰もが無料で気軽に花や緑に親しめる開放的な空間となっています。
園内は「ウォーターガーデン」「アジアガーデン」「フローラルガーデン」など6つのテーマに分かれた庭園で構成されており、イタリアの古城やヨーロッパ風の街並みを思わせるレンガ造りの建物が、植栽の美しさをより一層引き立てています。
園内に入ってまず目を引くのが、中央に広がる大きな池です。
噴水が心地よい音を立てて水しぶきを上げ、その周囲を鮮やかな新緑が囲んでいます。
メタセコイアなどの木々が水面にその影を落とし、時折吹き抜ける風が水面を揺らす様子は、ここが都会のど真ん中であることを忘れさせてくれます。
緑の中に一点、深紅に染まった樹木がアクセントとなり、初夏の青空とのコントラストが見事でした。
カメラを向けると、水辺の清涼感と植物の生命力がファインダー越しに伝わってきます。
今回の散策の主役は、何といってもバラ園です。
石積みの建物に映える鮮やかなピンク色のバラは、まさに女王のような風格。
大輪の花びらが重なり合い、芳醇な香りが辺り一面に漂っています。
マクロレンズを向ければ、一輪一輪に異なる表情があることに気づかされます。
純真無垢な美しさを湛えた白いバラ、力強く太陽に向かって咲く黄色いバラ、そして今まさに開こうとしているオレンジ色の蕾。どの瞬間を切り取っても絵になる光景ばかりです。
また、フラリエの魅力は自然なままの美しさだけではありません。柱に飾られた華やかなハンギングバスケットや、花壇の中に置かれたピンク色の可愛いフレームなど、遊び心のある演出が随所に散りばめられています。
こうした「フォトジェニック」な仕掛けは、撮影者にとって格好の被写体となり、庭歩きをさらに楽しいものにしてくれます。
初夏の柔らかな光を浴びながら、花々と対話するようにシャッターを切る時間は、何にも代えがたい贅沢なひとときでした。
季節ごとに表情を変えるこの庭園は、訪れるたびに新しい発見と感動を届けてくれます。
カメラを携えての散策はもちろん、ベンチに座ってただゆっくりと花を眺めるだけでも、心が穏やかに整っていくのを感じます。
都会の喧騒に少し疲れたら、ぜひ「ふらり」とこの花の聖域を訪れてみてはいかがでしょうか。
名称: 久屋大通庭園フラリエ
住所:愛知県名古屋市中区大須四丁目4番1号
アクセス:地下鉄名城線「矢場町」駅 4番出口から徒歩約3分(南へ歩くとすぐです)
入園料: 無料