木曾路の中で妻籠宿が一番気に入った。
どの家も軒先で花木を育てており、緑が多くてとても美しいのだ。
反面、人が手入れしなければ一気に雑草化して廃墟へと進むだろう危うさがなんともいえず趣がある。
人間VS自然の静かな戦いがみてとれる。
■概要
標高約420m。
江戸時代の町並みがほぼ当時のまま保存されている。
景観保護が徹底され、電柱を裏側に移すなど工夫が施されている。
江戸と京都の中間地点に近く、参勤交代の大名や商人、旅人の宿泊・輸送拠点として栄えた。
昭和51年(1976年)に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定。
妻籠宿は本陣1軒、脇本陣1軒、旅籠31軒(大7軒、中10軒、小14軒)を擁した大規模宿場町である。
寛永19年(1642年)の人口は337人。
(妻籠~馬籠、約8.1km、3時間)は遊歩道100選に選ばれ完歩証明書(300円)が人気。
■感想
●まるで時代劇のような街並み
奈良井宿にくらべてだいぶ観光客が少ない。
路線バスを使ったり都心からの日帰りが難しかったりするせいだろう。
JR南木曽駅から妻籠宿まで片道300円。
土産物屋や飲食店の商業施設は15時にはほぼ店じまい。
観光するならお昼時間までに一周するのが望ましい。
2~3時間で観光終了して隣の馬籠までバスで行くつもりだったが、
予想外に居心地がよくて、休憩所でおしゃべりしたり買い食いしたりして夕方の終バスまで居ついてしまった。
軒先ガーデニングがうじゃうじゃ繁茂して、初めてきたのに実家周辺のような既視感。
放置すればいずれ野に還るだろう。
住居区と商業区がまっぷたつに分かれているけど商売の派手さまったくはない。
景観条例に基づいており、町並みはシンプルで無印良品的な美しさがある。
京都よりも落ち着いていて上品さなら妻籠宿の方が上かもしれない。
見回すと自販機や電柱や街灯施設がなく、かなりレトロフューチャーしてる。
美しい町だった。
●妻籠城跡はクマが出る
妻籠宿の近くに妻籠城跡(県史跡)がある。
googlemapの概算、妻籠の集落からだいたい往復2kmぐらい。
室町時代から戦国時代にかけて木曽氏一族の妻籠氏が拠点としたのだ。
城の縄張りは木曽の山城屈指とされる。
景色が良さそうなので行ってみようか。
と思って向かったらどんどん緑が深くなって嫌な予感がする。
人の気配がまったくなくなったので慌てて引き返したら観光案内所のスタッフらしい衣装を着た人が歩いてる。
気になったので尋ねてみた。
「妻籠城跡はクマ出ますか」
「出ますよ」
にこやかな回答だった。
引き返したアスファルト道路を先に行くと城跡入り口に看板が出てるそうだ。
そこから山中に入る。
竹林やクマザサを抜けるとすぐに頂上。
高所から妻籠宿を見下ろせてとても景色がいいとのこと。
しかしクマが出るなら行くわけにはいかない。
残念無念。
秋だと紅葉が美しい山だそうだ。