池田屋安兵衛商店

富山市ガラス美術館に行ったついでにすぐ近くの「池田屋安兵衛商店」という薬屋さんに寄ってみました。富山と言えば薬売りが有名ですね。
　店構えは富山の中心街だというのにそこだけが江戸時代のままのような佇まいです。
　コロナでなかったら観光バスも来るそうですが、お店の中にお客さんの姿が無く、なかなか入るのに勇気が要りました。思い切って扉を開けると、梁が見える吹き抜けで昔風にリノベーションされたきれいな内装です。

　入って正面に「丸薬作り体験コーナー」があり、すぐにお店の方がやってきて、目の前にある昔ながらの道具で丸薬の製造を実演してくれました。見事な職人技と軽快な口調の説明でとても面白かったです。
　すると「体験してみますか？」と言われ、折角なので挑戦してみました。薬を切り出してずらりと並べる所までお店の人がやってくれました。
　そこから私の出番で、切りっぱなしの薬の上に板を置いてグリグリやるとまん丸な正露丸のような形になるハズなのですが、見るのとやってみるのでは大違い。板を外すといびつなお薬が並んでいました。「大丈夫！３粒ほどきれいなのがある」と笑顔で言われました。３粒って･･･。

　その後は「どうぞご自由にご覧下さい」と、さっと引いて行かれました。一度コミュニケーションをとった後なので店内はもう一人のお客さんと私達の３人だけでしたが気まずさもなくじっくり見る事ができました。
　壁には古い看板がいくつか掲げられていたり、売っている薬のパッケージもレトロでかわいいので我慢できず、写真を撮ってもいいか訪ねると、どこでもご自由に撮って下さいと言われました。

　こちらのお店は看板に書かれた「越中反魂丹」が有名らしく、胃腸障害、食べ過ぎ飲み過ぎによる各症状、消化不良などによく効くそうです。
　私はちょっと分かりませんでしたが、お店の方がお薬の説明の合間に昔のＣＭの台詞を何度も口ずさんでいました。
　他にも、薬の名前には最後が「○○丹」「○○丸」「○○散」「○○湯」となっている事が多いですが、これは名前を見るだけで薬の形状が分かるようにそうなっていると説明してくれました。
　お店の人のお話は勉強にもなるし、話が上手で面白かったです。お土産にはもちろん「越中反魂丹」と他にも袋がかわいいお薬をいくつか買って帰りました。

　２階では薬膳料理が食べられるので、私はそこでランチをしたかったのですが、旦那が薬膳はちょっと･･･と言うので近くのアーケードの食べ放題に行ったら、帰ってからすぐに「越中反魂丹」のお世話になるハメに。
　「越中反魂丹」は仁丹みたいなもので、熱心に説明を聞いたせいで暗示にかかっているのか、飲んですぐに胃の調子が良くなりました。

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