丸山【秩父郡】

秩父盆地と秩父連山を一望でき、天気がよければ八ヶ岳や富士山を望むこともできる。
県指定名勝。

■概要
埼玉県県民の森の中にある低山。
県民の森に駐車場があるのでマイカー族は手軽に景色が楽しめる。
蘆ヶ久保の道の駅、日向山にも駐車場があって徒歩距離を調節できる。
道路をひたすら歩くコースは単調ですぐ飽きる。

■感想
もう二度と来ることはないと思って記憶から消去していた山である。
なにしろコースが道路をくねくね歩くだけで面白味がないのだ。
完全に忘れ去って林道丸山線の車道を歩いていく。

（
実は日向山から丸山まで尾根道が伸びており、これを「丸山登山道」という。
もっとも短いショートカットコースだが傾斜がキツイ。
今回、ちょっと下見したが封鎖されていた。
そのうち再開するだろう。）

今回は「盆地の見える丘」という景観スポットを目指そうとしたが道が崩落したらしく封鎖、行けなかった。
復活がいつになるか分からないが丸山コースはアチコチ封鎖されてる。
行楽は事前に情報収集したほうが良い。

ご夫婦の乗った乗用車が道路の広いところで駐車してガサガサ紙の地図を広げているところに遭遇した。
もしかしたら、「盆地の見える丘」に行くところかもしれない。
もしそうだったら無駄足だ。

最新情報を教えてあげようと窓をこんこんした。
ガソリンも今高いし、時間も勿体ないからね。

「県民の森、ここであってる？道の分岐いくつかあるんだけど」
あ、なーんだ。
目的地は一緒か。
「あってますよ。このまま、まっすぐです」
と教えるとぶろろろろ行ってしまった。

冬の県民の森が目的地。
やっぱり丸山登山だろうか。
冬の平日、林道丸山線が完全に無人になる。

鳥もいない。
静かな林道。
前からツキノワグマが突進してきて襲われてざくーっと爪でやられてがぶーっと噛まれて餌食になる想像をしながら進んだ。
そうでもしないと単調でつまらなさすぎる。
ああ、怖い怖い。


県民の森到着。
完全なる枯れ景色ですべてが茶色。
ものすごく寂しい景色だ。

入り口には客がいないから冬季休業するとかなんとか書いてある。
デンジャークマポスターも貼付してあった。
「気を引き締めよう」
きゅっとした。

丸山への道すがらはさっきのご夫婦も車もなかった。
とっとと登るか散歩するかして帰ってしまったのだろう。
あまりに人がいないと不安になるものだ。

丸山展望台到着。
・・・見たことがある！
来たことがある！！
全ての記憶がよみがえった。

昔来たときもあまりに道が単調でつまらなかった。
二度とこないと決意して意図的に記憶から消去したのだ。

本当に忘れていた。
二回目の今日も本当につまらない道だった。
今まで登山した道のりでいちばんつまらなかった。
ベストバウト。
本当につまらなかった。

ただし、展望台からの景色は最高だった。
秩父連山の外輪が一望できる。
無料の望遠鏡がある。
人がいなくてガラガラ。
天空と大地の分かれ目が神秘的。

「たしかにこんなだったね」

うんうんと頷く。
道のりがつまらなさすぎて景色とのギャップが強い。
また丸山に着たいかと問われればあまりにつまらないので嫌だ。
「盆地の見える丘」が復活したら来てもいい。
それぐらいのレベルだ。

展望台を堪能して帰る。
またあのくねくね林道を歩く苦痛を思うと気鬱だ。
面白くないのだ。

と、丸山から下って林道に戻ったら正面に急傾斜の一本道を発見した。
看板が立ってる。
「蘆ヶ久保駅」一直線の矢印が出ている。

来るときには県民の森だけ注目して気づかなかった。
「埼玉県森林公社営林」を直線突破して芦ヶ久保駅に行けるらしい。

へーーー！！！
ルートは丸山登山道だけでなかったのか！

迷わず飛び込んだ。

面白い面白い。
急傾斜で絶対に登りたくない。
見晴らしが良くて林の向こう側にシカかクマがいてもおかしくない雰囲気がビシビシする。
命がけで下ってる気分になってくる。
重力と早足でドドドドドド駆け下りる気分。

あっという間に蘆ヶ久保駅についた。

行きはとてもつまらなかったが、展望台と帰りの道がとても楽しかった。
「盆地の見える丘」が復活したらまた挑戦してもいい。

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