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大阪府交野市の交野山麓にあり、道路から公園に入り、緩やかな坂道を少し歩くだけで行ける滝。
以前この滝を訪れたのは20歳の時だから実に48年前になる。
今はどうなっているのだろうと、ふと思った。
ネットで調べたら駐車場は無いと書いてある。
20歳の時は、この近くの職業訓練校で寮生活をしていたので源氏の滝は徒歩圏内だった。なので駐車場の有無については考えたことも無かった。
源氏の滝に限らず、交野山も何回も登った。
当時『交野山走』などというものを随時やらされていた。ハイキングで登るのではなく走って登れと言われた。
若さとは素晴らしいもので仲間は皆平気で走り登っていた。
私は走るのは苦手で長距離を歩くのも嫌だった。夏場になった時マムシが出たという噂が立ったので、これ幸いと大仰に騒ぎたてたら、しばらくの間「交野山走」は中止になった。
さて、駐車場が無いとなると、またバイクの出番である。自宅からは片道33キロほどなので近い。
ところが現地周辺に行ってみると高速道路が出来ていて周辺の様子が様変わりしている。
寮があった場所は、どこかの学校のグランドになっていた。
それでも周辺を走っていると過去の記憶が蘇ってきた。
源氏の滝の案内板を見つけたが確かに駐車場は無い。しかし広い公園があったのでバイクを押して入る。
公園に入るとすぐに右側に赤い橋があり、その奥に鳥居があって糸吉稲荷の幟があった。
何でも神秘的な神社ということらしいが、お参りは次回にする。
小型バイクとはいえ、緩やかな上り坂を押して歩くのは大変なので適当にとめた。
川に沿って歩く。左手に夜泣き石というのがあった。
ここは、いつの間にかパワースポットになっていた。
夜になると泣き声がするという石。
何でも大昔、近くに山賊が住んでいて、その棟梁は女性だったという。
ある日、子分どもが村を襲い綺麗な姫と可愛い男の子を拉致してきた。
この二人は共に母親と生き別れており、まるで姉弟のように仲良く暮らしていたという。
女棟梁が見た時は男の子はすでにショックで亡くなっていた。しかし、棟梁は部下を下がらせて泣き出した。
姫の縛めも解いたが、姫は隙を見て弟の仇とばかりに棟梁の胸を刺した。
棟梁は苦しい息のもとで「お前たちは二人とも私の子どもだ」と言った。
実は棟梁は昔結婚し、女の子を産んだものの離縁し、その後再婚して男の子を産んだが、またも離縁したのだった。
姫は悲しみのあまり近くの滝壺に身を投げた・・・・というような話が伝わっている。
その滝壺は・・・今は飛び込んでも溺れる心配はないほど浅い。
他にも高さ18メートルの滝から子どもが転落死し、以後子どもの幽霊が出るとか・・・。パワースポットと言うより霊感スポット?
そう言えば、私が生活していた寮でも首吊り自殺した者がいて深夜に幽霊が出るとか、敷地内の慰霊碑でも、出るとかの噂がまことしやかに流布されていた。
起床から消灯まで気を抜くことが出来ない生活。不始末をしでかすとビンタを食らい、竹の鞭でしばかれたりと大変だったが職業経験者の私には結構住みやすく楽しいと思えた。
こんな生活は高卒で入寮した者は耐え難いことも多かったみたいで夜になると屋上に上がっては故郷の空を見ながら泣いている姿もあった。
★
歩く。左手に階段がある。見るからにしんどそうなので登るのはやめた。
さらに進むと不動明王?が立っている大きな苔むした岩があった。
何となく神秘的な雰囲気が漂う。
岩を回り込むと滝があった。
48年前に見た時は、もっと小さな滝だったような記憶があったが改めて見るとなかなか良い滝だった。
轟々と流れ落ちる水量も豊で涼しい。
滝の横にも階段があった。こちらは高齢で気合が入っていない私でも登れそうだったのでチャレンジ。登りきると六角堂があった。
ここにも不動明王が祀られているらしい。
48年前の空間を楽しんで帰る。
リッター当たり60キロを走ってくれる原付二種は有難い。
公共交通機関を使うことを思えば昼ご飯代が浮く!
今日も誰とも話さず、お店にも入らずの行脚だった。
※この観光スポットの感想クチコミは各投稿者が経験した体験を基にした個人的な意見であり、【たびかん編集部】のものではありません。
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