あなたはこのクチコミが参考になると思いますか?
122名が参考になると回答しています
南禅寺境内の最奥部分には、琵琶瀬疏水の枝線水路が通過しています。
水路は明治23年に建造された、南禅寺水路閣と呼ばれるレンガ造り、ローマ風のアーチ橋上を通ってます。
水路閣は全長が93.17m、幅4.06m、水路幅2.42mで、景観に配慮して設計され、13の橋脚が作り出すアーチの連続は古都京都とは全く違った風情です。
近くにある蹴上インクライン(琵琶湖疏水を利用した舟運ルートの一部である傾斜鉄道)、蹴上発電所などとともに経済産業省の近代化遺産(「京都における産業の近代化の歩みを物語る琵琶湖疏水などの近代化産業遺産群」)に認定、さらに国の史跡となっています。
水路閣を通る琵琶湖疏水の枝線水路は、本流から蹴上で分岐し、大文字山(如意ヶ岳)の山麓に沿って南禅寺、若王子、高野、下鴨、堀川と流れています。
京都に市電を走らせた水力発電、かんがい、防火が主な目的の用水ですが、水路閣や哲学の道などあらたな景勝地も誕生しました。
現在も水路閣の上には琵琶湖の水が毎秒2tも流れているそうです。
東山、南禅寺という京都を代表する史跡と景観の近くにありながら、この水路閣は日本的古風とは全く違った近代日本を象徴する欧風建築のダイナニズムを感じることが出来ます。
思えば、京都という観光地というか都市は、上賀茂、下賀茂神社のように平安遷都以前の宗教施設から、平安時代の貴族文化を残す寺院、室町時代を代表する「禅」の文化、安土桃山の絢爛豪華な文化から江戸時代はもちろん、幕末の混乱時代の史跡から近代明治の西洋文化まで、まさに日本の歴史がそのまま残されている文化都市なのだと改めて思い知ります。
今回は青もみじの季節に訪問し、その美しさもなかなかのものでしたが、やはり南禅寺は赤く染まった紅葉が似つかわしい。
次はぜひ秋深い紅葉の時期に訪問したいものです。
※この観光スポットの感想クチコミは各投稿者が経験した体験を基にした個人的な意見であり、【たびかん編集部】のものではありません。