日本最高難易度の学府と有名な藝大。
その狭き門は東大や京大よりも間口が狭いと話題である。
とがった個性がむき出しの若者の感性が詰まってる学び舎である。
■概要
コロナ禍においてイベント時の一般立ち入りに長らく条件事項や禁止が続いた。
令和6年、ついに無条件入場がかなった。
藝大祭と卒展には予約なしの一般入場が可能となった。
<保存技術の展示してるとこ>
■感想
2024年2月1日。
予約不要で入場できると情報がいきわたった。
おかげでかなり来場者が多いようだ。
上野ドンレミーでお菓子を買い、上野公園の広場の炊き出し(宗教の人がやってる。神の子、外国語の翻訳スピーチ、山と積まれた段ボール箱の物資。食料配布を求めて人が集まってる。)を見物に行ったらデカいリボンや突飛な帽子や服装で仮装した人たちが藝大にぞくぞく吸い込まれていくところだった。
なんだろう、と思ってついていったら卒展だった。
おお。
四年ぶりかな。
チケットレスみたい。
予約なしでも入れるようなので便乗して入っていくことにした。
音楽科と芸術科のふたつに建物が分かれてる。
今回は卒展は芸術科の展示が主だ。
<音楽課と芸術科は敷地が道路で分断されてる。ここは音楽科。>
●藝大の食
二つの科それぞれに食堂があり880円ぐらいで食べられる。
芸術科の方は学外者でも利用可能なので混んでた。
食券売り場で行列ができていたが席がない。
遠隔操作で販売中止にできるようで「えええ」と残念な声が漏れてた。
<藝大には二つの食堂と高価なカフェの三か所で飲食できる。>
音楽科の学食にはピアノがある。
腕に覚えのある演者の登場を願ったがピアノに備え付けの椅子がない。
食堂の椅子をずるずるしてまで弾く人はそんないないだろう。
あのピアノは飾りではないかと疑念を持った。
こっちは客がガラガラで空いてた。
<音楽科の食堂にはピアノがある。学生が弾くのだろう。>
<視聴覚室。発表会では大活躍する。>
芸術科にはランチ単価2000円ぐらいのお高いカフェがある。
学食の約2倍。
ホテルオークラ直営のミュージアムカフェである。
とても空いてる。
雨漏りやエアコンが利かないことで有名な貧乏大学の藝大になぜこんな高価なカフェが、と驚いた。
正直、若い胃袋には松屋の方が合うのではないかとカロリー計算されたヘルシーな健康メニューを見ていて思った。
松屋の定食はごはんおかわり可能なのだ。
若者の無限欲を満たすデブ飯は藝大にはない。
そういえば太ってる藝大生は一人しかみたことない。
みんな中肉中背ぐらいだ。
体型と食と芸術はなんか関係してるんだろうか。
●元は寛永寺の敷地の一部
藝大の敷地の一部はトーハクの庭の景色とよく似てる。
繁茂した植物に印象が重なる。
昔の寛永寺の景色をそのまま残してるのだろう。
枇杷の木があったり収穫時期が楽しみな様相だった。
<元は寛永寺の敷地の一部。場所によっては植物が繁茂してる。>
●ショップ
学生の作品が売られてる。
10万円作品がゴロゴロしており破損させないよう緊張感がみなぎる。
オリジナル一点物が多い。
ミニ美術館のようなものなので鑑賞をおすすめする。
店外にはキッチンカーが軽食を売ってる。
<キッチンカーも出動する。奥は作品を売る売店。>
●卒業展示
かなり人が多く、じっくり見たくても人の回転を止めないよう、さっさっさっと足を速める必要があり大変だった。
新進気鋭の若き芸術家たちの作品が無料で見られるということで大人気だった。
どれが記憶に残っているかというと「窃視」という作品。
広場に向かって望遠鏡で覗くと巨大モニタに窃視者の瞳に映った映像が投影されるのだ。
<藝祭で望遠鏡みてきた>
覗かれた人たちがニコニコ笑って手を振り返してくれてこっちも手を振り返してなんだか嬉しかった。
感情が動くとき、人の記憶に残るんだと思う。
絵や彫刻より一番記憶に残った。
楽しかった。