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個人邸ながら京都の日本庭園のリストにしばしば挙がる、大橋家庭園。予約が必要とのことなのでずっと敷居が高く感じていましたが、今回思い切って電話してみました。
わずか2時間後の到着予定でしたが、快く受け付けてくださり一安心!
住宅街を迷いながらたどり着いてみると、立派な門構えながら本当に個人宅…鳴らすようにと教えていただいたインターホンはチェーンで仕切られた敷地の奥。「し、失礼します〜(汗)」とチェーンをくぐってボタンを押す勇気が必要です。
中から年配のご当主が自ら出てこられ、垣の中へ招き入れてくださいます。小ぢんまりとした敷地なのですが、実はすごいお庭なのでした。伏見の淀川での鮮魚の運輸で財をなされた曽祖父の方が、大漁を願って同じ音で読む「苔涼庭」と名付けられたそうです。
縁側に並んで座りながらまず説明してくださったのが、京都で一番古いという水琴窟。敷地の中に2つあって、それぞれ音色が違います。
水琴窟というのは地中に埋めた大きな瓶(かめ)の空洞に、つくばいから流した水の音が反響するように工夫された仕組みだそうで、一緒に流れる落ち葉や土のために、年月を経ると空間が埋まって音が出なくなります。
ここの物も含めて水琴窟の存在は長い歴史の間でずっと忘れ去られており、昭和58年の朝日新聞の「天声人語」の記事がきっかけで全国のあちこちで再発見されたとのこと。
ご当主も、小さな頃から「庭に、水を流すといい音がする場所がある」とは思っておられたそうですが、新聞を読んで「これはうちの庭にもある!」と気付かれたようです。
お庭はご親戚だったという七代目小川治兵衛(平安神宮の神苑や無鄰菴を手掛けた有名な造園家)の監修によるものですが、灯篭が大好きだったという当時の当主が、治兵衛に多すぎると言われながら12基も据えたとのこと。確かに林立しています…。ただしそれぞれに仕様が違うので、興味深く感じました。
ここはゆっくりご当主のお話をお聞きすると、じわじわと良さが伝わってくるお庭だと感じました。
※この観光スポットの感想クチコミは各投稿者が経験した体験を基にした個人的な意見であり、【たびかん編集部】のものではありません。
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