やましたより123さんの銀閣寺に対する口コミ

京大時計台の南側を抜け、
小さな峠のような吉田山を西東に越え銀閣寺を訪ねる。
今出川通りの東の突き当り、東山山麓に着く。
右大文字がすぐ近くだが、ここからは
薪の煙が目立ち少し趣きに欠ける。
文字化けも少々。

ここは、室町幕府　将軍義政が
勇退後自分のために造営した東山の山荘、
晩年、都会を離れて余生を過ごした隠居である。

現代、勇退後は、趣味に旅行に何とかにと
楽しく気儘に行動的な余生を過ごす方が多いと思うが、
彼はこの銀閣寺に殆ど籠もったようだ。

朝起きると、庭や自然を楽しみ、写経を行う。
昼寝の後は、本を読み、茶を楽しみ、座禅を組む。
また、石庭を見ては宇宙を想い、生を振り返る。
夜は、月を見ながら酒を飲み、風呂を楽しみ就寝する。
主に仏に仕え毎日真摯に経をとなえる。
一見、生活は質素、食は精進料理だろう。

果たして極楽浄土が叶ったのだろうか。

しかし、実際の住まいは
すこぶるベーシックで、本物志向と思う。
銀閣寺の建造美は、
当時の文化・技術を集大成した究極作品だ。
現代に通じるところが物凄い。
仏教の色合いや茶の世界の雰囲気を除けば
晩年を世俗から離れて暮らすには
たいへん贅沢な代物だろう。

最近は、自然回帰、ロハスな生活が叫ばれるが、
当時は、それが当然だった。
もう昔には戻れないのだろうか。