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毎年三月中旬から下旬になると枝垂桜が満開になる。
宗派は知らずとも通行人がふらふら吸い込まれていく。
■概要
あちこち引っ越してきて文京区に腰を据えて200~300年になる名刹。
江戸時代にどすんと定住したので大名家の墓がたくさんあるという。
時代を感じさせるのは、関東大震災と第二次世界大戦からも災禍を免れた山門と経蔵。
お金持ちご用達のお寺なのでやたら敷地が広い。
■感想
300年以上もこの場所にあるので地誌的に面白い。
名物の山門と経蔵は文化財で築200年を超える。
経蔵の前にある狛犬、これは実は狛虎という変わったモチーフである。
そもそも狛犬自体がデザインが独特なので狛虎との区別はつかないが、当時の職人のこだわりがあったのだろう。犬ではなく虎なのだ。
じろじろ見てもわからない。
芸術とは本人以外の理解は難しいなあ、といつも思う。
枝垂れ桜で有名で、いつも3月になると人がふらふらやってくる。
一本道をてくてく歩いてると大仏が出現する。
都内の貴重な大仏のひとつである。
珍しく階段が付いている。
のぼってウェイウェイな2ショット写真を撮ってみたいが無礼な気がしてやったことはない。
大仏は300歳を越えてるのでなんかご利益がありそうだ。
この大仏の横に注目すべきものがふたつある。
ひとつ、八百屋お七の比翼塚である。
好きな人に会いたいがために江戸に放火して大火災を招いたと物語で有名になったお七の供養のためにある。
実際に墓があるわけではなく、物語で有名になった人物を供養しようという形のものである。
都内にはこういうったお七関連の供養ものがいくつかある(いずれも本人のお墓があるわけではない)。
けっこう当時から江戸の民はミーハーに有名人を祀ってたんだな、と思わせる。
ブームがあったんだろう。
もうひとつ、花供養の碑である。
その昔、このお寺の正面に花市場があったそうだ。
そのときの業者が一年に一度集まって花供養する。
碑を見てみると、当時はもっと花業者が増えて業界が隆盛すると思ったんだろう、でかい。
そして碑に刻まれた業者名がスカスカである。
これから増えることはないのだろう。
ちょっと業界の衰退を感じて寂しいが、この花供養の碑は居心地がいいのか猫がよく寝てる。
文京区の三百年を端的に感じられる場所なのでおすすめ。
※この観光スポットの感想クチコミは各投稿者が経験した体験を基にした個人的な意見であり、【たびかん編集部】のものではありません。