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場んでっとさんの戦場ヶ原に対する口コミ

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場んでっとさんのクチコミ
2020年12月16日に投稿されました。
果てしない道が絶望を誘う。夕飯に間に合わない!!急げ!
写真撮ってる余裕あるじゃねえかよ!と言われつつも置いてかれる
夕食と引き換えになるかもしれない景色。味わい深い
ヨシ原の名前通りヨシばっかり
食相が変わった。ヨシ原を抜けた!
ゴールが近いことを悟り全力で走りだす
奇跡のタイミングでバスに間に合う。これを逃がしたら夕食はない。三人とも喝采する
湯ノ湖に通じる湯滝沿いの道は封鎖である。
戦場ヶ原 ヨシの原。
ヨシ=アシである。
人は考える葦である、のあのアシ。
悪しを転じて良しとした植物の草原。
アシはお金という意味もあるので場んでっとさんはアシの呼び名の方が好きだ。
アシは何度倒れても折れることなく、何度でも立ち上がるのだ。
この日、場んでっとさんたちパーティのラストバトルのステージにふさわしい原っぱであった。

■概要

湯ノ湖に通じる湯滝の道が封鎖になっている。
湯滝分岐点から湯ノ湖に行きたければ120号線に出るしかない。
その120号線に出るための道の途中にあるのがこのヨシ原。
夕食に間に合うかどうかの瀬戸際の疾走バトルが始まる。
最後まであきらめない心、大事。

ヨシは根からほかの植物の成長を阻害する物質を発してその一帯を独占状態にする特徴がある。
荒川沿いでもおなじみの植物だが、周囲に山があって見渡す限り同じ植物だと立派に見える典型。
編むと丈夫なカゴとか作れる。


■旅の思い出

小田代ヶ原でパーティの面々が「バス乗りたい」と申告する中、場んでっとさんの弁舌が冴えた。

私たちの時間的余裕はもう二時間もない。
湯ノ湖までの残2.4kmは1時間あれば余裕のよっちゃん。
小田代ヶ原地点のバス停の時間表もみつからない。
しかも路線が異なるので2本は利用しないと宿には帰れない。
バスに乗ったら夕食には完全にありつけない。
徒歩が確実に食事に間に合うのだ。

力説した。
パーティの面々は納得してくれ、根性出して徒歩で帰ることになった。

が、湯ノ湖に通じる道が途中でふさがれていた。
ががーんがーんガガリーンである。
直線で宿に帰れない。
さらに、120号線に大回りしたら徒歩では絶対に間に合わない。
「120号線に出たらバスに乗りましょう」
「(うんうんうんうん)」
タイミングよくバスに間に合うかどうかは賭けである。
私たちは賭けに出た。

夕食の時間に間に合うかどうか、この戦場ヶ原ヨシ原が決死の行程となった。
ホテルは時間に間に合わなければ無情にもご飯を片付けてしまう。
ホテルとはそういう約束になっている。

疲れてしょんぼりしていた三人目が覚醒した。
道が封鎖されて火がついたのだ。
「このヨシ原知ってますか?!(地図がさがさ)」
「知ってます!来たことあります!バス停あります!この先!!」
リーダー発揮、先頭を走りだす。
パーティの面々はアヒルの雛のごとくちょこちょこと付いていく。
急げ急げ。

ヨシ原の果てが見えない。
もしかしたら夕食と引き換えになるかもしれない景色である。
この途方もない景色が我らを苦しめる。
素晴らしいと思うか、憎らしいと思うか。
よく分からないがテンションが上がる。
ラストバトルのステージになんともふさわしい壮大さである。
広いわ。
この広さが同時に絶望感をかもす。
間に合うんだろうか。


バス停についても徒労に終わるかもしれない。
我らパーティは夕食のことで一致団結、心はメシで一つになった。
諦めることは許されない。
希望がある限りは走るのだ。

最悪は非常食に持ち歩いているメロンパンとスティックパン、5個入りクリームパンを分け合って夕食だ。
自販機でビール買ってロビーで乾杯して飲もうではないか。
あ、コロナ禍だから会食はダメか。

ナップザックをざくざく鳴らせて走っているうちに植相が変わる。

ヨシ原を抜けた!
木立ゾーンに入る。
バスは平地でなければ走れない。
低木、灌木、笹原と、平地に近づけば近づくほどゴールが近い。

ラストスパートで三人目の姿が目の前から消えた。
追いつけない。
まだこんなに体力があったのか!!
驚愕である。

「バスに間に合ったら止めとくからー!!」
遠くから声が聞こえる。
能ある鷹は爪を隠していやがったのだ。
疲れを微塵も感じさせない走りである。
なんとも頼もしい。

急げ急げ!
急げ!

ざざっと横スライドして120号線に到着。
先に到着した三人目がバス停の時刻表を確認しようとしていた。

ぶろろろろーー。
そこにバス登場。

なんともいえないグッドタイミングである。
「マジか!!!」
「ありえん!!」
「最高だな!!」
「こんなことってあるのか!!」
口々に興奮で健闘をたたえ合う。
バチバチのハイタッチである。


■感想

「まるで学生時代に戻ったようだった」
夕食時(透明シートと除菌剤で三密回避)に三人目が旅の感想をこう述べた。
あのバスに乗れなければこうやって酒の杯を傾けていることもなかっただろう。
奥日光の旅は初めてであったが、何が記憶に残っているかと言ったらこのタイムトライアルの疾走であったろう。
天国と地獄の分かれ目である。
成功したらよかったものの失敗したら私たちは互いにいがみ合い、責任のなすりつけによる地獄絵図と化したかもしれない。
ほんの1分弱の違いが分け目となったのだ。
私たちのバトルのステージになった戦場ヶ原も大蛇と大ムカデの決戦の地であったという。
圧勝ということはなく、何日にもわたる攻防であったというからやはり分け目はわずかなものだったのかもしれない。
ワイン旨い旨いとガブガブ飲みながら楽しかったのでまた来たいなあと思ったのだった。
そのときもまたきっと走ってるだろう。
※この観光スポットの感想クチコミは各投稿者が経験した体験を基にした個人的な意見であり、【たびかん編集部】のものではありません。
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